Gold vein

一攫千金 いつか金脈を掘り当てようとフィールドを徘徊するアングラーの備忘録です

最後の夜

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日差しの眩しさで目が覚めた。

風もなく穏やかな新年の朝だ。

 

釣友はまだ眠っている。

ウトウトしては目覚めを繰り返し、

今日も3時間くらいだろうか?

 

もう眠れないことはわかっているので、

車を降りて川を眺めながらのんびりと過ごす。

 

時折、水の中をギラつきが走る。

こんな時に限って偏光は車内に置いたままだ。

目を凝らして見ると、どうやらボラのようだ。

昨夜までは見かけなかったのに。

 

釣れたシーバスのサイズから考えるといささか大き過ぎるボラではあるが、

こんな状況ではありがたい。

今夜、状況は好転するのだろうか?

 

やっと起きた釣友と風呂に行き、カレーを食ってビールを飲んで昼寝。

字面だけ見ると贅沢な正月だ(笑)

夕暮れまでゆっくりと過ごし、いざ決戦へ。

 

ひとまずは釣果も出たし、正月のUターンが始まる前に帰ろうという今夜はそう、最後の夜。

下げ5分までだ。

それ以上粘ると帰りの渋滞に巻き込まれてしまう。

 

まずは釣友の初フィッシュだ。

最も可能性のあるファーストルアーは彼に託す。

が、さすがに1投目からは食っては来なかった。

 

暮れ始めたばかりのこの時間、

魚はまだここに来ていないのかもしれない。

パターンは終わりかけているとは言え、必ず魚は来る。

そう信じてキャストを続けていると、釣友からヒットの声。

難なくランディングして、彼も無事に2019年の初物を手にした。

 

サイズはこの遠征を通して最小かもしれない。

この場所も終わりが近いか。

暫くのちに彼が釣り上げた2匹目も同じサイズだ。

確信めいた思いにどちらともなく、もう終いにしようか?と言葉が漏れた。

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月は丸くなかったはずだけど、、

この夜、自分は釣ることは出来なかったが、もう充分だ。

また釣れないホームへ帰ろう。

 

本当の2019年が始まる。